一話 猫猫(マオマオ)
猫猫(マオマオ)
後宮での仕事
- 雑用
- 洗濯物
女官たち
- 識字率は田舎(いなか)の娘で5割を超せばいいほう
- 宮廷に連れ込まれる前に最低限の礼儀くらいは教えられる。
- 大きくなりすぎた後宮の弊害で、女官の量は増えたが質が悪い。
- 先帝の花の園にはおよばない
- 今帝は、妃(きさき)、女官合わせて2000人、宦官を加えると3000人。
一般的には「後宮三千人」(『長恨歌』「後宮佳麗三千人」より)と言われている
下級妃
- 後宮内で個室をもてる。
- 場所は宮内の端
- 皇帝の目につくことは滅多にない。
- 一度でも夜伽を命じられれば、部屋移動。→二度目のお手付きは出世。
- 一度もなく適齢を過ぎた妃(きさき)は、よほど実家の権力がない限り、位がさげられるか、官に下賜される。
- 宦官に下賜されることを官女たちは一番恐れる。
後宮で生まれる乳幼児の連続死
- 先代の側室の呪いといわれていた。
二話 二人の妃(きさき)
食堂
- 数百人の下女が朝餉(あさげ)を食べている
- 下女の噂話
【🍴】猫猫(マオマオ)たち下女の朝餉(あさげ)
- 汁物、雑穀、粥
下女の噂話
宮(みや)たちが、3人亡くなっている。
- 皇帝が東宮(とうぐう)時代に1人
- 皇帝になってから2人
- どの子も乳幼児の頃に、みまかれている。
小蘭(シャオラン)
- おしゃべりな下女
- 噂話を教えてくれる。
梨花(リファ)妃
玉葉(ギョクヨウ)妃
症状
- 頭痛、腹痛、吐き気
【🍴】噂話のお礼に猫猫(マオマオ)が小蘭(シャオラン)にわたしたお礼
- 甘草(かんぞう)入りのお茶
- 中庭の隅に生えていたもので作った。
- 薬臭いが甘味は強い。甘味を滅多に食べられない下女には嬉しい。
甘草(かんぞう)
下級女官
- 猫猫(マオマオ)のランク
- 大部屋に10人単位で詰め込まれる。
下級妃
- 部屋を持つ
中級妃
- 棟(むね)を持つ
上級妃
- 宮持ち
猫猫(マオマオ)の持ち場
- 東側を出る必要がない
- 用事を言いつけられたときぐらいしか離れる暇がない。
中央の宮へ
宦官の医者
小鈴(シャオリン)・・・呼び名
- 鈴麗(リンリー)公主(ひめ)
- 玉葉(ギョクヨウ)妃の子は公王(ひめ)。
三話 壬氏(ジンシ)
壬氏(ジンシ)
中央の宮での貴妃同志のもめごとから、一月もしない頃
鈴麗(リンリー)公主(ひめ)(小鈴(シャオリン)のこと)
『おしろいはどく、赤子にふれさせるな』
- さいた布に不格好な字の書きつけ
- 草の汁を使ってかいてある。
- 医官に娘を診てもらいたいといった日に、窓辺に石楠花(しゃくなげ)の枝に結んで置いてあった。
鈴麗(リンリー)公主(ひめ)の乳母
- 玉葉(ギョクヨウ)妃のお乳では足りず、乳母を雇い入れた
- おしろいは、乳母が使っていた。
- 乳母は体調が悪かったので暇を出した。
石楠花(しゃくなげ)
日本では4~6月に咲く花。季節はそのころか?
花言葉は、「威厳」「荘厳」「警戒」「危険」
四 天女の笑み
東宮がみまかられた
- 黒い帯が配られた。
- 喪に服す意味会いで7日間
- 食事は肉類がまったくなくなる。
初七日、精進落としということかな。中華ファンタジーですが、唐代で黒帯の喪中の風習があったかは、調べないとわからない。
端女(はしため)の食事
- 1日2回
- 雑穀、汁物、時折、菜(さい)が一品ふるまわれる。
下女
- 農民出身
- 町娘
- 少数だが官の娘
妃(きさき)は職業
- 読み書きができないと部屋持ちの妃(きさき)になれない。
- 給金もでる。
白粉の毒
- 白粉による鉛中毒の症状
- 江戸時代にも乳母の白粉の中毒事件があった
- 女方の歌舞伎役者の中毒じけんがあった
宮官長の部屋に呼び出し
- 宮官長の棟(むね)は後宮と外部をつなぐ四門のうち、正門のそばにある。
- 中級妃の棟(とう)より豪奢な造り
- 猫猫(マオマオ)以外に10人の下女が集まる
宮官
- 後宮を大きく分ける三部門の一つ
- 下位に位置する女官のこと
内官
- 部屋持ちの女官のこと
内侍省(ないじしょう)
- 宦官
古代の儒教の思想
- 「修身斉家治国平天下」の思想
- 「内廷」の家政と「外廷」の国政を同系上のものとして重視
古代の周王朝の理念的制度
- 内廷:女性の妃嬪:六宮、三夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻:内治、婦順、内和而家理、陰徳、内職
- 外朝:男性の臣下:六官、三公、九卿、二十七大夫、八十一元士:外治、男教、外和而国治、陽道、外治
宮官長
- 中年の女性
壬氏(ジンシ)
- 噂の美しい宦官
- 絹糸のような髪、流れるような輪郭、切れ長の目と柳のような眉
- 絵巻物の天女のより美しい
『そこのそばかすの女、おまえは居残りだ』
- 書き物
- 部屋を出る下女たちが皆小柄で、そばかすの目立つ容貌をしていることにようやく猫猫(マオマオ)は気が付いた。
- 字が読めない。
このシーン、やっと納得がいきました。字が読めないから出ていくのはわかりますが、不特定多数相手に、なぜ、「そばかす女」と限定できたのか漫画でもアニメでも腑に落ちなかったから。全員そばかす女だったんですね。
五話 部屋付
卑賤(ひせん)の生まれ
・・・「ああ、尚服(しょうふく)に携(たずさ)わる下女用のだ」
- 宮官は6つの尚(しょう)に分けられる。
- 衣装に携(たずさ)わるのが尚服(しょうふく)。
- 猫猫(マオマオ)は、洗濯係。
尚服局(しょうふくきょく)
- 祭祀用の道具、衣装などの管理。
- 沐浴、儀式に使う道具や備品の担当など。
- 尚服局のトップの女官は「尚服」と呼ばれます。
- 司寶、司衣、司飾、司仗 の部署があります。
六話 毒見役
帝の寵妃である玉葉(ギョクヨウ)妃
- 4人の侍女
- 上級妃には侍女が少なすぎる。
- 聡明で用心深いので、侍女を厳選している。
- 今までにも暗殺未遂事件があった。(鈴麗(リンリー)公主(ひめ)を身ごまった時)
- 最初10人だった侍女が半分以下になった
- 実家から侍女を連れてくるのは、特例を除き入内したときだけ
- 特例は、乳母
猫猫(マオマオ)の部屋付女官への昇進
- 玉葉(ギョクヨウ)妃の侍女になる猫猫(マオマオ)
- 官位は底辺から真ん中くらいまで上がる
- 給金も上がる→実家こと猫猫(マオマオ)を売り飛ばした商科へ2割支払う
- 一部屋もらえる(寝台付き)
- 毒見役
翡翠(ひすい)宮
- 玉葉(ギョクヨウ)妃の宮
紅娘(ホンニャン)
- 玉葉(ギョクヨウ)妃の侍女頭
- 30歳前
- 美しい侍女頭
毒見役
- 玉葉(ギョクヨウ)妃の食事
- 公主(ひめ)の離乳食
- 皇帝訪問の折の滋養料理
猫猫(マオマオ)が毒見役に向かない理由
- 実験で少しずつ毒に慣らした体なので、毒耐性があるから。
- 猫猫(マオマオ)の知的欲求を満たす行為。
銀食器の使用を勧める猫猫(マオマオ)
銀は原子の構造的に安定せずほかの化学物質に影響されやすいため変色しやすい。
ヒ素は硫黄の入った化合物が不純物として含まれていて、この硫黄と銀が反応することで黒ずみが生じ、毒がわかる。
現代はヒ素の精製がよいので、硫化ヒ素がでないため銀と反応しない。
高価な水差しをわざと割らした紅娘(ホンニャン)侍女頭の賢さ
- 実家(実家こと猫猫(マオマオ)を売り飛ばした商科へ2割支払う)の
- 仕送りができない。むしろ、請求するくらい高価。
- 毒味役の追加給金(危険手当)・・・猫猫(マオマオ)の今までの給与と同額。
七話 枝
尚寝(しょうしん)
- 部屋掃除専門の下女
尚寝局(しょうしんきょく)
- 寝具、妃嬪が乗る輿や日常で使う備品、庭園、灯籠の管理など。
- 尚寝局のトップの女官は「尚寝」と呼ばれます。
- 司設、司輿、司苑、司燈 の部署があります。
猫猫(マオマオ)の左腕
- 無数の傷痕
- 腕に包帯を巻いている
- 左腕なのは、利き腕でないから。
翡翠宮(ひすいきゅう)の女官の誤解
- 小柄で痩せぎす、腕には無数の傷に包帯、たまに青白い顔をして往来で倒れる猫猫(マオマオ)。
- 無愛想で無口なのも、彼女が今まで受けた仕打ちのせい。
- 皆、虐待をうけていたとおもっている。
猫猫(マオマオ)のおやじ
- 医者
- 花街に暮らす娘が、遊女以外の道へ進めるようにと、薬の知識をつけさせた。
壬氏の来訪
- 定期的に上級妃のもとをまわっている
- 宦官を一人つれてくる
移民属討伐が終えた報せがあった
- 討伐後の帰途、野営の食事で十数人が中毒症状。
- 近くの村で入手した食材
- 近隣の村は領土だが、歴史的に異民族との関係深い土地柄
- 逆らった村人を処分、村長(むらおさ)を逮捕、残った村民は村長の処分まで保留。
石楠花(しゃくなげ)の葉を舐める猫猫(マオマオ)
- 「接種すると吐き気や呼吸困難をおこします」
シャクナゲの葉には有毒成分である「グラヤノトキシン(ロドトキシンとも呼びます)」が含まれているから。
お茶として飲用することも多いですが、多量に飲用したりシャクナゲの成分が体に合わなかったりすると、嘔吐やけいれん、下痢や血圧低下といった中毒症状が起きる場合があります。
葉の裏の毛のようなところに、独成分がある。
・・・「後宮内でも、普通に毒を持つ植物はあります。これは葉に毒がありますが、枝や根に毒があるものもあり、中には生木を燃やすだけで毒になるものもあります」・・・
生木を燃やすだけで毒になるものもあります
キョウチクトウのことか
野営の箸
- その場の材料で作る
- 焚火をする
八話 媚薬
【🍴】壬氏(ジンシ)が持ってきた包子(パオズ)
- 餡はひき肉と野菜が詰まっている。
- 薬草の香り・・・一昨日食べた強壮剤と同じもの
- 催淫剤入り
・・・「いや、もらった相手を考えると素直に食べられないもんだろ」・・・
誰からもらったんだろう?
壬氏(ジンシ)の媚薬を作ってほしいという依頼
誰が誰につかうのか?
強壮剤
壬氏(ジンシ)の報告書
- 公安のような仕事をしている
- 皇帝が選出基準を壬氏(ジンシ)に任せている
芙蓉(フヨウ)
- 位:正四品 中級妃にあたる
- 先日の異民族を撃退した勲功として、武官に下賜される。
異民族を撃退した勲功の武官
- 実は武功ではなく、短絡的なほかの武官たちを押しとどめた評価。
・・・とある村に冤罪うぃかけた負の面は、表沙汰にされない。政とはそういうものなのである。・・・
キョウチクトウの箸と焚火の件のことか・・・
猫猫(マオマオ)が背負っているのは、洗濯籠
- 洗濯を届けにきたふりをして、医務室へ
- 薄いどじょうのような髭
高順(ガイシュン)
- 壬氏(ジンシ)付の宦官
- 慇懃な態度で猫猫(マオマオ)に接する
- 寡黙な顔立ち
- がっしりした体つき、武官ぽい
- 壬氏(ジンシ)の副官
可可阿(かかお)
- 材料が足りない
- 媚薬の材料
- 西の、更に西の南方のもの
- 種子
- 壬氏(ジンシ)が用意してくれる
九話
翡翠宮の台所
- 可可阿(かかお)の粉末
- 牛乳、乳酪(バター)、砂糖、蜂蜜、蒸留酒、乾燥した果実、匂い付けの香草油
- 全て高級品
巧克力(チョコレート)
- 交易商が媚薬として売りに出していた
- 猫猫(マオマオ)は一度だけ、遊女にもらって食べたことがある。
【🍴】猫猫(マオマオ)の点心(おやつ)のための巧克力麺麭(チョコパン)
- 麺麭(パン)を立方体に切り、残った巧克力(チョコレート)をしみこませる。
・・・「手を煩わせたな。ありがとう」甘い蜂蜜のような声が聞こえる。猫猫(マオマオ)の髪がすくい上げられ、首になにか冷たいものが当たった。・・・
- 壬氏(ジンシ)が巧克力麺麭(チョコパン)を1つくすねていった。
そうだったんだ、食べたかったんだね。漫画とアニメではわからなかったよ。もう一度見返そうかな。
十話 幽霊相同 前編
桜花(インファ)
玉葉(ギョクヨウ)妃の故郷
- 西
- 乾いた気候
- これといった資源もなく、干ばつになることもしばしば
- 働かなければ飢える、そんな貧しい地方だった
以前、玉葉(ギョクヨウ)妃の衣に毒針が刺さっていた
- 大部屋の下女の仕事も侍女たちでやる
- 洗濯もの運びは、猫猫(マオマオ)
猫猫(マオマオ)の薬
- 風邪薬
- あかぎれの薬
桜花(インファ)から聞いた怪談話
- 新しい噂話
城門付近の松林
南にある中央門のそば
- 医局
- 後宮をつかさどる三部門もそこに居室を構えている=壬氏(ジンシ)もよく現れる。
猫猫(マオマオ)が考察する壬氏(ジンシ)のなぞ
- 宦官ならば内侍省(ないじしょう)にいるべき=壬氏(ジンシ)
- どこの部屋にも所属してない
- すべてを監視するようだ
- 宮官長より上の立場
- 皇帝の御手付き?
医務室
- 猫猫(マオマオ)が作った風邪薬を医官にみせにきた
- どじょう髭
- 藪医者
- ごく最低限の調合しか知らない
- 女は医官になれない、医官になれば宦官になる必要がない
- 猫猫(マオマオ)の調合薬を見て、態度が軟化してきた
- 茶菓子もだしてくれる
- 必要な材料を分けてくれる
- やぶだが人はいい、性格はいいが仕事ができないタイプ
【🍴】やぶの医官がだしてくれたおやつ
- お茶と煎餅
- 猫猫(マオマオ)は饅頭などの甘党ではなく、辛党らしい
- 壬氏(ジンシ)が来たら、月餅と白茶にかわった。
白茶
幽霊騒ぎ
- 夢遊病をなおしてほしい
夜半に迎えに来た宦官の高順(ガオジュン)
- 様付けはいらないという猫猫(マオマオ)に、「小猫(シャオマオ)」と呼ぶ高順(ガオジュン)
小は、猫(マオ)ちゃんといういみですが、親しくないと使わないそう。いきなり肩組んできたって感じかな。
- 壬氏(ジンシ)は、猫猫(マオマオ)の軽蔑されたそぶりに、悦にいっていると高順(ガオジュン)。
城壁
- 猫猫(マオマオ)の4倍ほどの高さ
- 外側は深い堀
- 食糧、資材の運搬の時、下女の入れ替わりのとき、橋がおろされる。
- 門には常に衛兵が張りついている。
- 内側には宦官が2人、外側に武官が2人。
- 門は二重になっていて、外側と内側、両方についている。
- 跳ね橋を上下は、牛が2頭使われている
- 近くに広がる松林
後宮では脱走は極刑
宙を舞う白い女の影
- 城壁の上
- 長い黒髪
- 「月下の芙蓉」
- 芙蓉(フヨウ)という、中級妃。
- 来月、功労として下賜される姫。
芙蓉の花って、朝白くて、夕方ピンクに替わるので、二面性のある芙蓉(フヨウ)妃をとらえて、この名前にしたのかな。
十一話 幽霊騒動 後編