プロローグより
七人の魔導師
風の白馬
氷雪の女王
魔界水滸伝
第一話 流血の日
<場>赤い街道
- カダイン、オーダインに続く
- 地図参照
避難民
- トーラスからの最後の避難民達
- 国破れる
<場>トーラス
- ゴーラのモンゴールの国
- モンゴール大公国の建国以来30数年、侵略しても攻められたことはなかった
- トーラス炎上
- 赤い街道をハイファ→ルファ→ダラン(トーラス近く)はせ上がってきた
- 地図参照
- 中原の民は蛮族と呼ぶ
あつくもえたぎる草原の血は、ウレィンをこえ・・・、
<場>ウレィン
- ウレィン山脈のこと
<人>黒太子スカール
- アルゴスの王子
- 通称黒太子
- 騎馬の民をひきいてきた
- 騎馬の民に略奪を禁じていた・・・トーラスまで我慢させてた
クムの参戦でアムネリス軍は敗れる
草原の騎馬の民
- 都市をもたない
- 耕作もせず、蓄えない、欲しければ町で略奪する民族
草原の騎馬の民(各民族混合軍)、パロ軍、タルーひきいるクム軍、カイル隊長率いるアルゴス正規軍
<時>ダランを過ぎて2日目
- ついに騎馬の民の先頭が、トーラスからの難民の群れにゆきあたった
- 略奪
<人>ロー・エン隊長
<人>グル・シン
<人>リー・ファ
<馬>ハン・イー
- スカールの愛馬
<場>トーラスの市城
- トーラス炎上
- すでに、北側から、ツーリードに上陸した沿海州連合軍は、何の抵抗もなくツーリードを落とし、トーラスへ攻め下った
<場>ツーリード
- ケス河近く
<人>ローザン将軍
- トーラスを守る将軍 2万
<場>草原の青き狼たち騎馬軍、トーラス入場
<人>クリスタル公アルド・ナリス
- パロ軍総大将
- パロの公爵
- クリスタル公
<人>ベック公
- 副将
- パロの公爵
- 通称は勇猛公
- アルド・ナリスとはいとこ
- 武人
<人>リギア
- パロの女騎士
- ルナン公の娘
<人>タルー
- クムの第一王子
- クム軍総司令官
- クムのタリオ大公の息子
- タル・サン、タリクの三王子の長兄
黒龍戦役
- モンゴール軍にパロが大敗した最初の戦争
<場>金蠍宮(きんかつきゅう)
- 白旗があげられる
- 暴行、略奪
- 安置されっぱなしの大公の棺
- いたずらに付けた火が広まる
静寂
<人>カメロン
- ヴァラキアの海軍司令官
- ヴァラキアの提督
- イシュトバーンと知り合い
<時>トーラス陥落、略奪の夕暮れ
<場>金蠍宮のバルコニー
<人>トール・ダリウ
- アグラーヤの老提督
<人>アムネリス
- モンゴールの右府将軍
- モンゴール大公ヴラドの娘
- クム軍の手に・・・おそらくクムで裁判にかけられ、刑に処されるか一生幽閉
<人>ボンゴ・ヴァレン陛下
- アグラーヤ王
- 沿海州
- 娘をは、レムスの婚約者
<人>オルロック伯爵夫妻
<人>オリー・トレヴァン
- 男色家
- ヴァラキアのロータス公の公弟
<人>コルヴィヌス総督
ゴーラ三大公国
- モンゴール
- クム
- ユラニア
<時>翌日、昼過ぎ
- ユラニアの有名なオー・ラン将軍ひきいる2万の軍が、サウル・ゴーラ皇帝の代理であるエリア伯爵をともなって、モンゴール国境へ入った
モンゴール軍の残党
- 金蠍宮の一部に武装解除して収容
- 1万7~8千
- 兵も指揮者も減っていた
- サイデンはすでに逃亡
- 若いアリオン伯爵も夜にまぎれ、金蠍宮脱出
- 残された指揮官・・・ローザン将軍、ツーリードから護送されたアルヴィウス将軍、若いマリウス伯、マルクス長官
<時>午後
<場>非公式のとりしらべ
<人>ローザン将軍
- 大公も公女もない今、トーラスとモンゴールの最高責任者
- 処刑の覚悟
- ボンゴ・ヴァレン(沿海州)、パロ、アルゴス・・・ローザンの処遇は、ゴーラ公国部の問題として手を引き、クム、ユラニア、サウル・ゴーラ皇帝の代理人の決定にまかせたいで一致
- トーラス警備長官
- ナリスとアムネリスの結婚式で、アムネリスに横恋慕したうえ、ナリスに利用され、結婚式を台無しにしたアストナリスは長官の息子
- ナリスに息子の生存をたずねる
第二話 幽囚
<場>クム
- 都 ルアーン
- 通称 水の都
- 豊かで美しい都市
- 地図参照
- はるばる東方からやってきた、大昔に勢力を振ったカナンの一族の末裔といわれる
- 文化、様式は、中原のうちでは異色
- 名産は絹製品、工芸品、名高い「快楽の都」
パロ・・・学問と魔道の都
モンゴール・・・尚武の国
クム・・・快楽の都、剣闘士の国
<人>アムネリス(19歳)
- アムネリスは、生まれて初めてクムの首都ルーアンに来た
- 国境地帯のザイム郊外で捉えられ、武装解除させられた
- アムネリスと、ガユス、ボノー、レンツ、傷をおったメンティウスらの諸将は、「美の都」タイスへ送られた
<場>タイス
- 美の都
- 国境地帯ザイム(地図参照)から馬で1日とかからぬ距離
- 地図参照
<時>タイスで2日後
- 特別船でアムネリスは、オロイ湖の西側のタイスから北端のルーアンへと、水路護送された
<場>オロイ湖
- クムの南部に海のように広がる湖
- 地図参照
<人>侍女フロリー
- アムネリスの侍女
- 武将たちと引き離され、わずかな近習とともに、アムネリスに付き従いクムへ
<人>ザルダン将軍
- タリオ大公の右腕
- 護送されたルーアンで、アムネリスと彼女に従う者たちの管轄がうつされた
<場>赤い塔
- 通称
- アムネリスたちが移された場所
- 名高い水上宮の別棟
- 塔の最上階に近い二部屋
<人>タン・ガン
- クムの親衛隊の将校
- アムネリスと侍女フロリーをタリオ大公殿下まで案内する
<人>タリオ大公殿下
<人>タル・サン(23、4歳)
- タリオ大公の次男
<人>タリク(20歳そこそこ)
- タリオ大公の三男
<場>謁見室
- アムネリス、タリオ大公と二人の王子、居並ぶ帝臣の中で謁見
- サウル・ゴーラ皇帝はユラニアのいいなり
- ユラニアは、当然モンゴールをつぶし、他の二国で領土を割譲(かつじょう)しようと主張してくるだろう・・・そのためには、アムネリスは死ぬことになるだろう
- もし、アムネリスがいち早くサウル陛下へ嘆願書を出し、クムに保護を求め、代わりにモンゴールの後見権をゆだねたら・・・ユラニアは、兵力に訴えてまでクムとモンゴールを争うことはしないだろう
<意味>割譲(かつじょう)
-
英語・仏語:cession
-
他の法的実体へ所有物(財産)を譲渡すること
-
特に国際法では条約により領土を移転すること
-
割譲対象の土地は割譲地と表現され、逆に譲渡を受けることは割取(かっしゅ)と表現されることがある
-
国際法では領域権原(英: title to territory/territorial title、仏: titre territorial)の一つとされる
-
Ballentine's Law Dictionaryでは、「割譲とは、引き渡すこと、諦めて手放すこと、あるいは他の機関に有利な会議体により管轄権を放棄すること」と定義している。
-
管轄権を有する土地、領土が強制的に放棄される併合とは対照的に、割譲は自発的、あるいは少なくとも明白に自発的にみえる行為による。
<場>赤い塔 アムネリスの部屋
- タル・サン第二王子が一人で訪ねてくる
- アムネリスの美しさと聡明さに魅かれて結婚という共闘を申し出にくる
- クムの三王子は、好みも似ているし、お互い競い合っている
- 父王は誰か一人を贔屓したりしない
- タリク第三王子が訪ねてくる
- ユラニアの三人娘(30歳、28歳、25歳)の皇女たちとクム王子の間で三つの縁談がすすんでいることを打ち明ける
- ユラニアの5つも年上の醜女のユラニアを嫁にもらうのは嫌
<人>エミリア(30歳)
- ユラニアの三人娘の皇女
- クム第一王子の間での縁談
- 中原に名高い、恐ろしい醜女
<人>ネイリ(28歳)
- ユラニアの三人娘の皇女
- クム第二王子の間での縁談
- 中原に名高い、恐ろしい醜女
<人>ルビニア(25歳)
- ユラニアの三人娘の皇女
- クム第三王子の間での縁談
- 中原に名高い、恐ろしい醜女
第三話 パロへの帰還
<場>金蠍宮(きんかつきゅう)
<時>トーラスが落ちて10日め
- 町々の店は再開されず、配給生活
- 上層部の禁令にかかわらず、略奪、暴行のうわさ
- 火の手
- 崩壊したモンゴール騎士団の脱走兵の市民への狼藉
- 連日、占領軍本部へ町の有権者たちが脱走兵の取り締まりの嘆願
- クム軍・・・トーラスに傀儡政府を置きたいため、モンゴール軍脱走兵などを傭兵として雇い入れていることに、ユラニアが抗議
- 次はクムとユラニアが不穏・・・ケイロニアがどちらにつくかで勝敗が決まるだろう
- パロは当分国内の立て直しに時間がかかるだろう
- 沿海州はライゴール(国)の大商人アンダヌス市長兼評議長決着をつける件がある・・・ライゴールの陰謀(第二次黒竜戦役の際には、密かにモンゴール側に味方にすべく働いていた)
- アンダヌス本人は、がら空きの沿海州に残っているのも不穏
<人>ボルゴ・ヴァレン
- アグラーヤ王
- 妻はデュアナ
- 娘婿にパロの新王レムス(この時点では、戴冠式はまだ)
- 母はパロの王女
- なかなかにやり手の名君として知られ、〈アグラーヤの鷹〉との異名
- ノスフェラスからアルゴスへ帰還する途中のレムスと出会って、その才気と可能性に惚れ込み、自らレムスと長女アルミナとの婚約を求め、助力を約束した
- その後の第二次黒竜戦役では、沿海州四カ国連合軍の指揮官として参戦し、ケス河を上ってモンゴールを攻略した
<人>アンダヌス
- 自由貿易都市ライゴール市長兼評議長
- 商業の神ミゲルの生まれ変わりともいわれる大商人
- 肥満体に大きな赤い鼻、分厚い唇、まぶたが垂れ下がった半眼という、醜怪にして印象的な容貌の持ち主
- 「沿海州でいちばん醜い支配者」、「ライゴールの蛙」などと呼ばれる
- 第二次黒竜戦役の際には、密かにモンゴール側に味方すべく、陰謀を巡らしていた。その際に彼がモンゴールへあてた密書が、偶然イシュトヴァーンの手に落ちたことが、イシュトヴァーンの運命を変える一つのきっかけとなった
<人>オリー・トレヴァン
- ヴァラキア公弟
- 兄はヴァラキア公ロータス・トレヴァーン
- 飽食の神バスにも例えられる肥満体
- 英明で知られる兄とは対照的に、性格はだらしなく、快楽主義的で極めて享楽的であり、お世辞にも知的であるとはいえず、家臣からの人望はゼロに等しい
- 食欲と性欲ばかりが旺盛な男色家であり、美男として有名なアルド・ナリスやディモスのような貴族にまで色目を使っていた
- 少年時代のイシュトヴァーンにも目をつけ、強引に我が物にしようとしたことが、イシュトヴァーンがヴァラキアから出て行くきっかけのひとつともなった
<人>オルロック伯爵
<人>コルヴィヌス総督
<食>ヴァシャ酒
- モンゴールの酒
- 強くて甘い酒
- 辺境に近い、寒いかわいた土地の酒という感じ
<場>金蠍宮の一室、カメロンに割り当てられている自室にスカールを招く
- カメロンとスカールは馬があっている
- スカールはノスフェラスへ行こうと思うと、カメロンに打ち明けた
- スカールは昨日、ヴラド大公の魔導師を捕まえた・・・ブラド大公の部屋から持ち出さそうとしていた書類
- ノスフェラスに入り、横断して、生きてモンゴールへたどりついた、カル=モルとかいう魔導師がいるらしい
- ナリスは信用できないが、カメロンは気にって信用するから打ち明けた
- 魔導師は切り殺して、書類も記録も燃やすつもり
- 明朝、ノスフェラスへ立つつもり
魔導師がブラド大公の部屋から持ち出さそうとしていた書類の内容
- モンゴール魔導師団からブラド大公への建白書
- ノスフェラス、という謎の土地のはらむ重大な秘密のあかし、そこを手におさめることがいずれは中原の覇権のよりどころになるであろう、という内容
- ノスフェラスの地に、全世界を制覇する鍵となる新しい兵器、想像を絶する兵器が眠っている
- ノスフェラスこそ、実は万物の発生の地にして、この世界の生成の謎をとく手がかりなのだと
<人>カル=モル
- 魔導師がブラド大公の部屋から持ち出さそうとしていた書類に記載されていた、生きてノスフェラスから帰還した魔導師
スカールは、兄スタック王が自分が国に戻らないことを願っていると思っている
- 乱暴者の云うことを聞かない弟より、自分の血を分けた子供を王太子にしたいと思っている(スカール王子とスタックとは母親が違う義兄弟)
- 兄スタック王は、エマ女王との間に子をなすのを諦め、妾をつくることを考えている(子を得るため)
- スカール自身は、アリゴスの王座に未練はないが、義兄アルゴス王スタックにはなかなか信じてもらえない
<時>翌朝
- トーラス金蠍宮から、アルゴスの黒太子スカール、グル・シン、リー・ファをはじめとする、草原の騎馬の民およそ2千が消えた
- スカールの簡単な書置きだけ残されていた・・・ただ1行、いずれ直接アルゴスへもどるので、心配せぬように
<時>その日の夕方
- カメロンはナリスにさそわれて、ナリスの自室へ
<場>金蠍宮内のアルド・ナリスの居室
- カメロン提督に、スカールはノスフェラスへ何をしに行ったかとたずねられる
- ナリスはノスフェラスに興味がある
- いとこのリンダとレムスがひそんでいた地
- アムネリス公女がかつてモンゴール軍をひきいてノスフェラス遠征へ行った
- 自由貿易都市ライゴール市長兼評議長アンダヌスが、ヴァラキア公弟オリー・トレヴァンと、ロータス公の身を害そうとたくらんでいると、ナリスは情報をカメロン提督に伝え、すぐに国元に立つことをすすめた
<食>カラム酒
- 赤く美しい
- スカールと騎馬の民のしゅっぱつ出発
- 沿海州艦隊のうち半分が、モンゴールを離れ故郷へ出航
- ボンゴ・ヴァレン、オリー・トレバン、オルロック伯夫妻、コルヴィヌス総督は、パロの新王戴冠式に参列するため、パロ軍と共にクリスタルへ
- カメロン総督、トール・ダリウが預かる沿海州の半分は、タリアに集結して沿海州へもどる
<場>トーラス
- クムの王子タルー、ユラニアのオー・ラン将軍のこる
<場>カウロス公国
- カウロスは、ブラド大公の死とモンゴール占領の報をきき、ただちに平和を申し出たが、レムスが条件に折り合わず決着がつかないので、レムスもリンダはパロに帰っていない
<時>その夜(アルド・ナリスやベック公などパロへ帰還中の一向)
<場>ハイファの宿
- パロからの急使
- レムス軍がが首尾よくカウロスと平和を結び、カウロス軍は引いて、レムス軍がようやくクリスタルへ急ぎ戻るルートへ向かったという知らせ
<場>ユノ
- クリスタルを守る留守部隊のアウレリウスが兵をひきいて出迎えた
- 合流してもどる
<場>ジュニュア
- 一泊
- 大神殿に詣でる・・・戦勝報告と礼の祈祷
<時>翌日の昼前
<場>クリスタル
- 凱旋の一行を市民が迎え出る
- アルゴスから1年と数か月ぶりの帰還・・・ベック軍
<場>ランズベール城
- ランズベール塔の上でラッパ
- 翻る紫と金の聖王の旗
- 美しく正装した留守部隊の聖騎士、近衛騎士、パロ騎士団の精鋭が並ぶ
- 大群衆の歓声
- 留守を守ったワリス聖騎士侯、アウレリウス伯、マール公、ランズベール、ネルバ両侯、ギース神殿長、ナリスの母ラーナ大公妃、ギルド長ケルバヌス、王室学問所長フェイガン老師、クリスタル・パレスの誇る貴顕、美姫、文官、武官・・・水晶宮のテラスに正装して凱旋を待っていた
<人>ラーナ大公妃
- ナリスの母
- ナリスの父、パロ王子・ヤヌス大祭司長アルシスの妻
<人>フィリス姫(17歳)
- ベック公の婚約者
- 1年半ぶりに、ベックと再会する
- クリスタルの籠城の時は、女官を組織して看護部隊をひきい、兵たちの手当や看護をしきっていた
<人>ヴァレリウス
- 一人、冷笑的な批判をかくしたまなざしでいる
- パロ宰相、パロ魔道師ギルドの上級魔道師
- 背は低く、黒髪、灰色の目。飄々とした皮肉屋である反面、意外と世話好きで、次第に苦労性の一面が表に出てくるようになった
- なぜか大魔道師に気に入られる傾向があり、《ドールに追われる男》イェライシャを師と仰ぐほか、〈闇の司祭〉グラチウスや大導師アグリッパとも知己を得た数少ない人物でもある
- 感情を表に出さない魔道師としては異例なほどに感情的な面があり、不犯の掟を持つ白魔道師でありながら、リギアに対して恋心を抱いていたこともある
<時>数日後
- レムス王太子、リンダ王女(二粒の聖なる真珠)、カラヴィア公アドロンに守られ、クリスタル市の南、1日の地点に到着の知らせ
- レムス陛下➡新国王、アルドロス四世陛下
- リンダ王女殿下
- 1年半ぶりの帰還
<人>長老ルナン
- パロの聖騎士侯
- 娘に聖騎士伯リギア
- 妻はエレナ
- 古風な武人であり、性格は謹厳にして頑固一徹
- アルド・ナリスの父アルシスの忠実な部下であり、アルシスと弟アル・リース(のちのパロ前聖王アルドロス三世)が争った際には、聖騎士侯の中でただひとり、アルシスに付き従った
- その後もその忠誠は変わることなく、ナリスの守り役として、彼に持てる愛情と忠誠のすべてを注ぎ、黒竜戦役時にもつねにナリスの傍らにあって、パロ奪還に大きな功績をあげた。パロ内乱時にもナリス側の有力な武将としてよく戦った
- 第二王位継承権者にして、摂政たるクリスタル公
<場>クリスタル
- レムス王太子、リンダ王女(二粒の聖なる真珠)の出迎えに沸き立つ
- アルゴス王スタックがレムスに貸し与えた、アルゴス正規軍2万、加えて騎馬の民1万5千・・・ほとんど損害をださず、ルートまでレムス達を護衛して、アルゴスにとって帰った
- ダイネンを超えてレムス達に従いパロ入りしたのは、アルゴスの勇将イェン・ファン・ヤン、ロン・ヤンのひきいる、旗本隊2千
- ダイネンを渡り、カラヴィア領ガブールで、自治領カラヴィアをパロ王から預かるカラヴィア公アドロンに迎えられ、パロ王、女王の一行として体裁を整え、アドロンの息子アドリアンに守られて、クリスタルへ急いだ
- アドロン率いるカラヴィアの騎兵がおよそ5万中、2万を率いて
<場>ダイネン
- ダイネン大湿原
- 地図参照
<人>イェン・ファン・ヤン
- アルゴスの勇将
<人>ロン・ヤン
- アルゴスの勇将
<人>カラヴィア公アドロン(40歳)
- 自治領カラヴィアをパロ王から預かる
- 精悍で、南方系の浅黒い武人
<人>アドリアン(14歳)
- パロの聖騎士侯
- 父はカラヴィア公アドロン
- 金髪、青い目の美青年
- 年若ゆえ未熟なところはあるが、正義感にあふれる好青年
- 長らくリンダとの結婚を夢見ていた彼女の崇拝者
第四話 レムス戴冠
<時>あの夜・・・モンゴールに攻め込まれた日のリンダの回想
<人>デビ・ボーガン
- リンダとレムスの乳母
<人>リヤ大臣
- あの古代機械(王家のものしか動かせない)を動かせるアルド・ナリスもいず、陛下も切り殺されたので、双子を逃がすために、リヤ大臣が神に祈る気持ちで、動かした
- 座標が狂い、二人のおばエマ妃がいるアルゴスではなく、違う場所に送られてしまう
- アルゴスではなく、正反対のルードの森へ➡グインと出会い➡スタフォロス城につかまり、スニ、ヴァラキアのイシュトバーンに出会う➡ノスフェラスへ
- 地図参照
<時>その朝目覚めたとき・・・レムスの戴冠式の日
<人>スニ
- 侍女の服を着たスニ
- リンダの寝台のあしもとにうずくまって眠っていた
<人>レムス(15歳)
- 父の名をうけてアルドロス四世を名のるか、レムス・アルドロス王を名のるか、魔導士に占わせたら、どちらも凶名で治世が短かったり、外国との戦乱のたえぬ相をもつ名と報告
- パロの新王、レムス1世王・・・吉名というわけではない《外につよく、内に悩む》という星の意味をもつ名前
- レムスの星まわり・・・平和より波乱と試練を経て大乗に達す
- ナリスへの妬み
<時>正午より2ザンの前(2時間前)
最も重要な賓客
- 沿海州の大国アグラーヤの王にして、今日即位式の主役、新王レムスの岳父(がくふ)となる、ボンゴ・ヴァレン
- ヴァラキアの公弟、オリー・トレヴァン
- トラキアのオルロック伯とエリジア夫人
- イフリキア総督、コルヴィヌス
<意味>岳父(がくふ)
- 配偶者の父親のような、義理的な関係の上での父親を指す表現
- 義父、舅、あるいは岳翁とも呼ばれる
- 義理上の母親は岳父に対して岳母という。
パロの王たらんとする人間3つの、大いなる試練
- ヤヌスの塔の試練
- ジュニュア大神殿で、神々のみ前にすすみ、ヤヌス十二神に12の契約を行う試練
- パロの聖王としてふさわしい、というあかしだてた新王は、神々に見守られてジュニュアでの戴冠をおえ、市内を通ってクリスタル・パレスまでパレードをしたのち、戴冠式の祝典と宴を夜通しつづけられる宴の途中、ヤヌスの鐘が深夜2ザン前を告げると、ただ一人、再びヤヌスの塔へ、二人のヤヌスの僧だけに案内なれて向かう(ヤヌスの塔の地下までしか案内されない)王は、ただ一人、手燭を手にして、謎に包まれた塔の地下へと、どこまでもおりてゆく。謎の古代機械のすえつけられている階を通り過ぎ、その下の、代々のパロ王たちの彫像が見守っている階をぬけ、さらに下へ。建国の神王、アルカンドロス大王のなきがら(いまだに目を閉ざすことなく横たわり、おのれの王国を見ている)である先祖の遺骸と対面う試練
建国の神王、アルカンドロス大王のなきがら
- その治世への予言と、助言を与える
- それによって、新王はまことのパロの王となる
- アルカンドロス王に会えなかった王は永久に迷路を彷徨う
- 生還しなければならない
- この試練に打ち勝ったものにだけ、パロの巨大な秘密とその歴史における役割の大きさに準じて、伝えられる
<場>ヤヌスの塔
聖なる作用をもつガラテアの葉でかるく叩かれてきよめられた
- ガラテアの葉をくべてたいた煙が、レムスを一種、半覚醒のあやしい忘我の中にさそいこんだ
- 黒蓮(ガラテア)の麻薬の香炉
ヤヌスの塔の試練
- 王位継承者が聖なる玉座の試練
<人>ギース神殿長
- 王家の王につづく最高位たるヤヌスの大司祭の長の座は、先王の兄にしてアルド・ナリスの父であるアルシス祭司長の入寂(にゅう じゃく)以来空席
- この度の式典では、神殿長たるギース宗教侯が仮の司祭長をかねる
<意味>入寂(にゅう じゃく)
- 仏語
- 寂滅にはいること
- 特に、僧侶が死ぬこと
- 入滅
<場>ジェニュア神殿到着
<時>夕刻
- ヤヌス十二神に12の契約を行う試練
<人>イリス神殿の祭司長、ドリム
- 聖なる王衣
<人>イラナの祭司長、エミヤ
- 王錫(おうしゃく)
<人>ルアー大祭司、アリエル老師
- 高名な魔導師
- 聖王冠
トーケイ
- 聖王冠の正面につく、世界に知られるかぎり最も巨大なダイアモンド
- 淡い黄色
<人>神王レムス一世
- パロ聖王国、第三王朝第十二代
絵のとおりのみごとな聖王の正装となり、ヤヌス大神像の前に立つレムスの後ろに、リンダが見たもの
- レムスのうしろにのしかかるようにして立つ巨大な顔
- おぞましく焼きただれ、生けるどくろと化した、見も知らぬ怪人の姿
- レムスを見下ろしている
- カル=モル
- 血の色の王衣を着ている
- カル=モルがレムスを選んだ
- カル=モルの秘密をふうじなくては、レムスがそれを手にすれば、ノスフェラスの白砂が血に染まる(予言)
- リンダは気絶する
戴冠の儀は続けられて、終わる
<場>クリスタル・パレス
- リンダ、気絶から目覚める
- 予知をしている時のリンダの記憶はない
- ナリスとリギアがそばにいる
<時>夜の10ザンめ
- 祝宴のたけなわ
- 水晶の間でたのしんでいるころ
- 新王は、ヤヌスの塔へ出かけて行った
レムス、アルカンドロス大王の、最後の試練も無事に通った
- しかも早かった
レムス、アルド・ナリスに摂政公を頼む
ヴァレリウス(パロ宰相、パロ魔道師ギルドの上級魔道師)が鋭い眼差しで二人を見ている
エピローグ
<時>朝
<場>トーラスの下町、アレナ通り界隈
- モンゴールにおもてむき、平和が戻ってきていた
<人>ダン
- 左足がない男
- めっきりやつれて白髪の増えた
<場>《煙とパイプ亭》
- ダン、家族と再会
- 母親、父親
<人>オリー
- ダンの母親
- 《煙とパイプ亭》
<人>ゴダロ
- ダンの父親
- 《煙とパイプ亭》の亭主
- クムの兵士が、酒をださないからと、火のついまきで頭を殴ったから、目が見えなくなった
あとがき
プロローグ終了