268 隊長は兵に命じて、幹部を呼びにいかせた。
- 大将・幻影逹(イリューダ)と副将・彿兼(ふっけん)は、後宮攻撃の叱咤に多忙
- 参軍・亮成丁(りょうせいてい)は、後方で生死の境をさまよっている
- 渾沌(こんとん)のみ、町屋敷の陣所で、ふてくされたように、昼間から酒を飲んでいた。
268 渾沌(こんとん)は、妙な小娘の話を聞いて、興をおこした。
- 午門(ごもん)の前で、十重二十重(とえはたえ)に取り巻いた薄汚れた兵隊どもの前に、けなげにも一人の少女が己が胸に銃口を押し付けて立ち竦(すく)んでいるのを見て、「これほど美しい光景は一生に一度みられるかどうかだ」とつぶやき、感動した。
- 渾沌(こんとん)と銀河は、皇帝の執務室で会見することになる。
268 ・・・渾沌(こんとん)は「けっ」と痰を吐き出した。痰は規則正しく敷き詰められた磚(せん)を汚した。つい十日前ならば、首を胴から切り離されても仕方がない所業である。
268 磚(せん)