本の紹介
ストーリー紹介
都で連続盗難事件が相次ぐ中、その事件が巷で流行っている“暦”に関係すると気づいた道真は、陰陽寮に足を踏み入れるが――平安クライムサスペンス、葛藤の第8巻!
*memo*
紀長谷雄 きのはせお
- 道真の級友
- 業平の親類
- 大学に席を置いている
- 菅三
広相 ひろみ
- 大学の先生
言道 ことみち
菅原是吉
- 道真の父
- 文章博士
平安時代の暦
- 太陰暦
- 1年354日
- ひと月30日の大の月が6回、29日の小の月が6回。3年でひと月以上の誤差がでるので閏年(うるうどし)を設けて調整
- 日本の初めての暦は海外から 「日本書紀」に欽明天皇14年(553年)に百済に暦博士の来朝を要請し、翌2年に来たという記事があるので、遅くとも6世紀には伝来していた
- この頃百済で施行されていたのは、元嘉暦
- 元嘉暦後、いくつかの暦が中国大陸から伝わったが、定観4年(862年)から用いられた宣明暦は、江戸時代まで823年間使われた
- 本編で道真や業平が公的な暦と見做しているのも宣明暦
- 毎年の暦の作成、配布は暦博士など歴道の人々が行った 朝廷=天皇こそが暦を定める主体の」意味
- 朝廷公認とは別に「私に」暦を作ることは、天皇の権威を犯す行為で許されない
- 朝廷の力が及ばない地方では、「私の」暦が用いられることがあった 代表例は、戦国時代、関東に多くの利用者がいた三島暦
- 三島暦は、静岡県の三嶋大社で作られたもので、織田信長はこの三島暦を宣明暦に代えて公式に用いるように朝廷に迫った
白梅 はくばい
- 道真に仕えている女官
暦学
霊験
- 人の祈請に応じて神仏などが示す霊妙不可思議な力の現れ。利益 (りやく) 。「霊験あらたか」
「春秋」
家原郷好 いえはらのさとよし
- 陰陽頭 おんみょうのかみ
古川幹麻呂 ふるかわみきまろ
- 人員整理で陰陽寮を解雇された
- 陰陽道 天体の様子、暦、時間を考察する学問
- 陰陽寮 陰陽道のプロを養成する機関
- 陰陽寮のトップ 陰陽頭(おんみょうのかみ)、その下に陰陽道に基づく呪術を行う方技(技術系官僚)としての各博士やヒラの陰陽師
- 博士の内訳 陰陽師を養成する陰陽博士1名、天文観測に基づく占星術を行使したり教えたりする天文博士1名、漏刻(水時計)を管理して時報を司る漏刻博士2名。
- それぞれの博士の下に学生が各10名。博士を目指す特業生各2~3名が学んでいた。ヒラ陰陽師の定員は6名。
- 平安時代の初め頃、陰陽道の内容はトップシークレットで外部に漏洩してはいけなかった
- 中国大陸や朝鮮半島からやってきた最先端の知識を有する人が任じられることも多かった様子
- やがて貴族層が陰陽道の知識を分有するようになり、天文や暦に詳しくなっていく(菅原道真の時代)
- 道真の少し後、加茂忠行・保憲の父子、彼等に学んだ安倍晴明が現れ、陰陽道は加茂・安倍(土御門)両家が世襲する学問になる
加茂忠行 かものただゆき
加茂保憲 かものやすのり
紀元道
安野有兼 やすのありかね
- 大学寮
平安時代の試験
- 対策 本番テスト
- 試 いつものテスト
- 大学寮の学生(がくしょう)に対し、まず寮試が課せられる→合格すると擬文章生(ぎもんじょうしょう)になる
- 次に式部省が出す省試が課せられる→合格すると文章生(もんじょうしょう)になる(作中の道真はココ)
- 文章生のうち、成績優秀者2名が文章得業生(もんじょうとくごうしょう)になる
- 最後のテスト、対策(方略試とか秀才試ともいう)があって、その結果により官職につける=就職できる
- 本編の道真と有兼がうけるテストは、上の説明とは別物で、本番の入学試験に対する模擬試験のようなものだそう。もしくは、高校の中間テストや期末テストのようなもの(あったかどうかはファンタジー)
- 10日ごとに旬試という名前の試験があったらしい
- 対策は、室町時代まで続くが、中身は形骸化していたよう
平安時代の従者
- 貴族は三位に昇進すると政所(まんどころ)という役所をもつのを許可される
- 貴族の従者、家司(けいし)は政所に所属します
- 例えば光源氏であれば、源家政所があり、そこには令とか別当とかの高級家司や、知家事とか文章を作成する案主など下っ端
- 彼等の階層は、下級であっても貴族の一員(天皇に従属する存在でありながら、光君という主人にも仕えているということ)
- 彼等のの仕事は、主人の所領管理(荘園に関すること)
- 荘園に関する仕事 税金を取り立てる、荘園内でおきた刑事・民事の事件の対応、耕地の開発に関わったりなど
- 本編中の業平に仕える是則は、政所の職員ではなく在原家に仕えるお父さんの子供でしょうとのこと
融 とおる
舞の大師 だいし
- 内教坊の妓女の指南
青海尼 せいかいに
読みたくなった本