「八咫烏シリーズ」の外伝第2弾
13 かれのおとない
15 みよし
16 垂氷(たるひ)の雪哉(ゆきや)
- 北領(ほくりょう)が垂氷郷、郷長家(ごうちょうけ)の子息
- 貴族の息子
- 茂丸(しげまる)の友人
17 茂丸(しげまる)
- 茂(しげ)と家族に呼ばれている
- みよしの一番上の兄
- 茂丸が雪哉を家に連れて来た当時、山内衆の養成所である頸草院(けいそういん)に在籍していた
- みよしは大兄ちゃんと呼び慕っていた
17 父親
- 茂(しげ)とみよしの父親
18 山内(やまうち)
- 八咫烏の一族の住まう場所
- 山内の地は、金烏(きんう)宗家のもと、東西南北の4つの領に分けられている
- 東家(とうけ)が治める東領:楽人を輩出する芸術の地
- 南家(なんけ)が治める南領:商人が力を持ち、たくさんの人と物が行きかう地
- 西家(さいけ)が治める西領:多くの職人を抱え、山内の美と文化を支える
- 北家(ほっけ)が治める北領:腕っぷしの良い武人であることが何よりの誉とされる土地
18 山内において最高の武人とは
- 金烏宗家を守る山内衆(やまうちしゅう)
18 頸草院(けいそういん)
- 山内衆の養成所である頸草院(けいそういん)
19 茂丸(しげまる)が17歳の時の大事件
- 近くの民家が、人喰い大猿に襲われた
- 茂丸の人生が変えられた。ご近所の安否確認に行った後、茂丸は山内衆に入るために、頸草院に行くことを希望した。
21 長期休みに入って最初に連れ帰った友達が、雪哉
- 当時、みよしは10歳
- たった3日間の滞在
22 弟や年少の村の子共達が、川遊びに行きたがりみよしがこまっていると、
- 雪哉が引率してくれ、谷川で一緒に遊んでくれた
- 子供達の人気者になった雪哉は、みよしを女の子として丁寧に接してくれ、みよしは夢中になった。
22 弟
22 次男
23 みよしが別れ際にあまりに泣いたせいか、それ以来、長期休暇の度に顔を見せてくれるようになった雪哉
- 茂丸は、雪哉の他にも貴族階級の出身者の友達を連れて来た
23 明留(あける)
- 貴族階級
- 郷長家よりさらに偉い四大貴族の一つ、西家のお坊ちゃん
- とびきり綺麗な美少年で、村の女達は黄色い声を上げた
- 桐箱のお菓子をお土産に、村人たちに手ずから配った
- 緊張して、気を使っている明留
27 みよしの淡い初恋
- 雪哉のことが好きだったが、叶わずあっさり終わった
27 茂丸達が無事に頸草院を卒院し、山内衆として若宮殿下に仕える身になった頃
- 大地震
- あちこちから火災
- みよしの村では、怪我人もなく、家の倒壊も免れた
- 村長の家の瓦は落ち、漆喰が剥がれ落ち、いくつかの納屋がくずれた
- 数日後、中央の被害がひどかった
28 気候変動
- 天候が悪くなり、作物は不作
- 断続的な地鳴りがおこり、中央の方は常にあやしげな暗雲が立ち込めた
28 中央山(ちゅうおうざん)に祀られている山神さまが、お怒りになったという噂
29 茂丸(しげまる)の死の一報
- 中央からやってきた羽林天軍(うりんてんぐん)の兵により一報
30 最初の知らせがあった翌々日
- 茂丸(しげまる)の無言の帰宅
30 茂丸(しげまる)の死亡の理由
- 若宮殿下の警護中に雷にうたれた
30 三番目の兄
- 棺桶の中の長兄の遺体を見ようとしたみよしを止めた兄
31 盛大な葬儀
32 茂丸(しげまる)が死んでから、数か月
- 山神の怒りが静まる
- 長年の懸案であった猿との戦いにも勝利した
32 若宮殿下の招待
- 戦で没した兵の遺族に、若宮殿下から直接お言葉を賜る機会
- 一家で中央へ
32 中央
- 蛟(みずち)の曳く船に乗る。茂丸がみよしにいつか見せてやりたいと言っていたもの。
32 【🔎】蛟(みずち)
32 寺院
- 中央城下から山の手を通り、たどり着く大きな寺院
33 奈月彦(なづきひこ)
- 茂丸が命に代えて守った若宮
- 美しいかんばせと輝く黒髪
34 奈月彦の護衛のまるで別人のような雪哉
34 「雪兄ちゃん」と小さな声を漏らすみよしを見た雪哉
35 若宮の約束した遺族への保証
- 莫大な恩給
- 恩給の宝物は、家族の不和のもとになった
36 恩給を受け取るか、返上するか、家族の意見がわかれる
38 末っ子の弟が、亡くなった茂丸のまねをしておどけてみせ、大人たちの紛糾を緩和した
- なごみ、笑い、泣く家族
- 恩給は一度受け取り、村全体で使い道を決めることにした
39 先祖代々の墓
- 不釣り合いに聳え立つ、茂丸の墓
- みよしは山から摘んできた白い百合を墓に手向けた
40 雪哉がみよしの家を訪ねてきたシーンにもどる
- みよしの結婚祝いを届けに来た雪哉
- 隣村の働き者であると評判の青年との縁談
- さ百合花、ゆりも逢(あ)はむと、思へこそ、今のまさかも、うるはしみすれ
44 【🔎】
44 【🔎】大伴家持(おおとものやかもち)
45 ふゆのことら
47 ・・・透き通った冬の蒼天に、・・・
47 市場から近い広野の一角で喧嘩
- 味方4人、敵10人
47 先日喧嘩を売ってきた総大将
- 市柳と同年代の割には大柄で太っている
- よっちゃんと仲間は呼んでいる
- 他領の子
47 市柳(いちりゅう)
- 日常、大人に混じって鍛錬している
- 2人の兄
- 北領の郷帳一族
- 三男
- 「風巻(しまき)の虎」と呼ばれている
50 市柳(いちりゅう)の父
- 山内(やまうち)は北領(ほくりょう)が風巻郷(しまきごう)を治める郷長
- 位階だけなら、中央の高級貴族に相当する
- 巌(いわお)のような体躯と強面の豪傑
50 北領(ほくりょう)
- 酒造と武人の地
- 大きな田畑はない
- 綺麗な水を使った酒造りが盛ん
- どの村にも最低一つは道場があり、普段は畑を耕している農夫も、有事の時は兵と化す。半農半士が占める土地柄
51 市柳の長兄
- 郷長の後継ぎとして既に働いている
51 市柳の次男
- 上級武官を養成する頸草院(けいそういん)を出た後、現在は中央で宗家近衛の任を与えられている
51 市柳は末っ子の問題児
- 将来を決めかね、同じような年頃の郷民と徒党を組んで遊び回っている
- 元服の時期
51 進路
- 父や長兄の手伝いのため郷吏(ごうり)になるか、次兄のように上級武官をけざすために頸草院か
54 市柳の母
- 市柳は「母ちゃん」と呼ぶが、「母上とよびな」と注意されている
- 忍(しのぶ)さんと、夫は呼ぶ
54 風巻郷(しまきごう)
- 垂氷(たるひ)郷とは隣り合う
55 垂氷(たるひ)郷
- 風巻郷(しまきごう)と同様に3人の息子たちがいた
- 長男・雪馬(ゆきま)と次男・雪哉(ゆきや)は年子で、市柳とほぼ同い年で市柳はよく比べられる
55 長男・雪馬(ゆきま)
- 頭よし、見目よし、性格よし、と三拍子そろった俊英
- 年に2回の北領の領主の前で行われる御前試合においても悪くない成績を収めているので、市柳も認めている
55 次男・雪哉(ゆきや)
- 兄と真逆
- 頭の出来は悪い、見目もよくない、とんでもない意気地なしという出来損ない
- 試合でも、手合わせが始まると同時に半泣きになって順刀(しない)を放り出すから、雪哉の相手はほとんど不戦勝
- 新年の挨拶のため、北領領主本邸に市柳たちが出向いた時、よくない相手と喧嘩して大敗を喫して、領主に呆れられたという噂を聞いた市柳
- 中央の宮仕えが決まったらしい。春から若宮殿下の側仕えになる
- 今はもう亡くなった次男の母親の方が、今の正室よりずっと身分が高い
56 若宮殿下
- 日嗣(ひつぎ)の御子(みこ)の座についていて、いずれはこの山内の地を統べる方
- しばらくは外界に遊学していたが、先頃帰還し、そろそろ有力貴族の四家から正室を選ぶ登殿(とうでん)の儀が始まる
58 市柳の父親は「りゅうくん」とよぶ
58 「山賊の根城」
- 風巻郷(しまきごう)の郷長屋敷を郷民は愛称で呼ぶ
59 忍(しのぶ)
- 市柳の母親で、郷帳の妻
- 貴族の生まれすらなく、武芸大会で並み居る敵をなぎ倒し、郷長家の正妻の座を腕力で勝ち取った女武芸者
- 小柄で目つきが悪くて罵倒の切れ味鋭い母
- 十人並みの容姿だが、父親には絶世の美姫に見えるらしい。父親とよくいちゃいちゃする
60 北領の武術大会
- 毎年2回
- 祈年祭(としごいのまつり)と新嘗祭(にいなめのまつり)に先駆け、北稜の一番大きな寺院で武術大会が開かれる
- 北領の各地から腕に覚えのある成人前の少年達が集められ、祭り当日に奉納試合をさせる
- 頸草院への峰入りを目指す平民の少年達には、自分の力を有力者に訴えるための良い機会であり、頸草院からも何人かの教員が見に来ている
- 北領の武家の子共には、叩きこまれた武術を披露するまたとない機会
60 【🔎】祈年祭(としごいのまつり)
60 【🔎】新嘗祭(にいなめのまつり)
62 市柳は、垂氷郷の雪馬(ゆきま)に勝つ
- 負けても爽やかで女性に人気のある雪馬
63 垂氷郷の雪哉(ゆきや)の試合
- 垂氷の三男の応援
- 負ける
64 雪哉が中央で、若宮の側仕えをすることになったいきさつ
- もともと若宮の側仕えになる予定だったのは他の貴族だったが、その貴族は平民と勘違いして雪哉と喧嘩し、雪哉に怪我させた罰で、お役目を譲ることになった
66 市柳は大会で3番手につける成績
66 【🍴】祈年祭(としごいのまつり)の楽しみ
- 北領の冬場に仕込んだ冬酒が最初に出回るのが祈年祭(としごいのまつり)・・・明日になれば出回る
- 晩秋に造った秋酒が振舞われている
- 寺院前の参道では、たくさんの出店が肴を売り出す
- 玉にした蒟蒻を甘辛く煮る大鍋から醤油の焦げる香りがぷんぷん漂い
- 味噌を塗って焼いた鶏の串焼きからは、金色の脂がとめどなく垂れていた
66 【🔎】丸い蒟蒻を食べる地域
- 山形県 玉蒟蒻
66 【🔎】味噌を塗った焼き鳥
67 雪哉は市柳に殊勝に手ほどきを乞う
- 打ちのめす雪哉、詫びる市柳
- 服の下に隠れる場所の打撃を受けていた市柳。慣れた手口。
- 原因は、雪哉が雪馬に成り代わり郷長の座を乗っ取るという噂を言いふらしたこと
76 雪馬が止めにはいった
- 複雑な家庭環境の雪哉
- 貴族という立場の言葉の重みと責任
78 市柳は自分の家は恵まれていると再確認した
- 頸草院へ行くことを決める市柳
- 家族が喜んでくれる。雪哉のいう「責任」を果たすことになるから。
- 『風巻の虎』を名乗るのはやめよう
79 ちはやのだんまり
81 ・・・つくばいの水は澄みきっており、秋の気配の濃い植え込みの草木はしとやかに葉先を濡らしている。・・・
- 大貴族西家(さいけ)の御曹司として生まれた明留(あける)の作庭
81 明留(あける)
- 大貴族西家(さいけ)の御曹司
82 千早(ちはや)
- 明留(あける)の数少ない友人
- 宗家の近衛である山内衆(やまうちしゅう)の一員
- 少女の兄
- 余計な装飾のない黒一色の装束に、赤い佩緒(はきお)が巻かれた大きな太刀という、戦装束。
82 【🔎】佩緒(はきお)
82 やわらかく目を瞑(つむ)った可愛らしい少女
- 目が不自由
- うっとりした表情を臨席の若者に向けている
- 千早の妹
- 今様(いまよう)色の着物は高級ではないが、清潔に整えられている
82 臨席の若者
- ふてくされたように明後日の方を向いて、時折じろじろぶしつけな視線を明留に向けてくる
- ほつれて見苦しい粗末な衣
- 髪は適当にくくっただけで、ひねくれた性根があらわになったような顔も薄汚い
- この場にいることが、不本意そう
- 千早の年頃の妹が、将来を考える相手
83 先頃、山内の地を統べる金烏(きんう)に、長子となる姫宮が誕生
83 真赭(ますお)の薄(すすき)
- 明留(あける)の姉
- 皇后付きの女房
- 姫宮の養育係
83 皇后
- 政敵ののさばる宮中を離れ、薬草園に囲まれた紫苑寺(しおんじ)で姫宮の養育をしている
84 紫苑寺(しおんじ)
- 薬草園に囲まれた場所
- 金烏陛下は足しげく紫苑寺の姫宮のもとに通う
- 金烏陛下の側近である明留も、一緒に紫苑寺にいくことになるので、姉の真赭(ますお)の薄(すすき)と顔を合わせることが多かった
- 少し様子のおかしい姉の真赭(ますお)の薄(すすき)が、金烏の護衛としてきている千早に声をかけた
84 千早(ちはや)
- 頭も身体能力も抜群
- 非常に優秀な護衛
- かなりの無口で愛想がない・・・面倒くさがっているだけ
- 過酷な幼少期を、目の悪い妹を守りながら生き抜いて来た
- 情緒の9割を妹に割いていた。妹に関わらないことは大抵どうでもよいと考えている
- かつて明留を苦労知ずの坊(ぼん)とあざけっていた千早が、心を許したのは、花街に身売り同然の形で引き取られた妹・結(ゆい)を、明留が大金を肩代わりしたことで話をするようになった
85 結(ゆい)
- 千早の妹
- 目が不自由
- 素直な気質と楽才に恵まれた才媛
- 琵琶と歌唱が得意
- 今は、琵琶と歌唱で身を立てることを目指し、師匠のもとに通っている
- 少し前には、修業のため治安の悪い谷間に住みたいと言い出した結と千早の間に兄妹喧嘩があったが、真赭(ますお)の薄(すすき)が、結の逗留先を都合することで仲裁してみせた。以来、真赭(ますお)の薄(すすき)は、結の相談にしばしばのってあげているので、千早は真赭(ますお)の薄(すすき)には頭が上がらない様子
85 姉・真赭(ますお)の薄(すすき)の話
- 結にいい人ができた様子
- 結が谷間に居を移したのは半年前
- 相手は谷間の男の子、お師匠さまのところへ行った帰りに声をかけられた
- 顔合わせの約束
88 顔合わせ
- 結局、明留が段取りすることになり、千早がすっぽかさないように引きずってきた
89 シン
- 結がお付き合いしている人
- 結はシンの優しいところが好きと紹介する
- 谷間で門番の仕事をしている
- 結の声と顔が好きという
- 明留にも千早にも不評な男
93 ずっと黙って明後日の方を見ている兄・千早に、結がきれて、最後はシンと一緒に出て行った
94 西家朝宅(ちょうたく)
- 顔合わせを心配して、真赭(ますお)の薄(すすき)が待っていた
94 顔合わせの後、結の世話になっている置屋に行って、シンの評判を調べて来た明留
- 酷い評判だった
- シンはもともと捨て子で、生まれも育ちも谷間の生粋の不良
- 谷間を治める親分衆が後見のような役目を果たしており、衣食住の代わりに、置屋や女郎宿の門番もどきの役割を与えられている
94 谷間
- 朝廷の支配から逃れた脛に傷を持つ破落戸(ごろつき)が多くのさばる場所
- 谷間には、谷間の規律がある
98 千早と結は兄弟さといっているが、血縁関係はない
99 西家朝宅(ちょうたく)の明留を訪ねてきたシン
- 明留か千早が結を奪われるのかと、訪ねて来た
- 千早が、結と血が繋がらいことを知ったシン
- 明留がシンにきれて、南庭(なんてい)で順刀(しない)で戦うことになる
103 山内衆にはなれなかったが、明留は頸草院で2年次まで武芸を叩きこまれた
- シンの敵ではない
- 千早はもっと強い
- 諦めないシンは、順刀(しない)を失い、2人は殴り合いになる
108 外唄(そとうた)
- 外界(がいかい)から輸入したもの
- 恋心を唄うものがほとんど
110 夜に結とシンは銀木犀を見に行った
110 【🔎】銀木犀
114 枢戸(くるるど)の陰で、千早と真赭(ますお)の薄(すすき)が、明留とシンの腹を割った話を立ち聞きしていた
- 真赭(ますお)の薄(すすき)に𠮟咤される千早
114 枢戸(くるるど)
115 7日後再び前回と同じ茶寮で顔合わせ
- 明留がシンに、きちんとした話し方と身のこなしを叩きこみ、体をみがきあげ、髪を整え、真新しい着物にきがえさせた
117 あきのあやぎぬ
119 環(たまき)
- 苦労してきた
119 楓(かえで)
- 山吹の襲(かさね)の豪奢な装い(春のかさね)
- 西本家の次期当主である顕彦(あきひこ)の正室
- 息子が2人いる
120 あまりに泣くので別室へ連れて行かれてしまった娘と2歳になった息子の騒ぐ物音
- 環(たまき)の子
120 18番目の側室におさまりたいので、楓(かえで)に嫌われるわけにはいかない
121 今から約半年前
- 朝廷に出仕している最中、環(たまき)の夫が死んだ
121 環の夫
- 環よりふたまわりも年の離れていた
- 腹回りにたっぷりと肉を蓄えていて、心の臓も随分弱っていたようで、文机(ふみつくえ)から立ち上がろうとした瞬間に胸を押さえ、そのまま帰らぬ人となった。
- 決して見目の良いほうでなかった
- 若い頃何か嫌な事を言われたとかで、女性に対して過剰に引っ込み思案だった
- 弱小貴族の次男坊で、40になっても嫁を貰わず、花街にも行ったことがないという筋金入りだった。(他にも縁談があった環は、そうした潔癖なところが気に入った)
- 羽振りもそこそこよく、当時、病床にあった母の面倒まできちんとみてくれたので、金銭的な問題があるとは知らなかった。(環に隠していた借金があった)
122 夫の訃報が入った時
- ようやく2番目の子が卵から孵ったばかりの頃だった
- 無我夢中の葬儀の手配
- 形式をきっちり整えた証文を携えた男達の訪問
- 賭け事でできた借金(すごろくやカナコロガシ、中でも目がなかったが、足揃えで行われる競馬(うまくらべ))
- 環と婚姻を結ぶ1年前にの競馬(うまくらべ)で大負けをしていた。誰も金子を貸してくれないので、屋敷を抵当に入れて商人に借金までしていた。
122 足揃えで行われる競馬(うまくらべ)
- 端午の節句の儀式では、同じ競馬(うまくらべ)の名で流鏑馬(やぶさめ)が行われる
- 端午の節句で使う馬を選出するため、足揃えでにおいて二頭の馬を競わせることもまた、競馬(うまくらべ)と呼ばれていた。
- 本番は宮烏しか観覧できないが、足揃えは里烏(さとがらす)にも公開されるので、山内で最大の賭け事となっている。
123 夫が借金していた相手
- 四大貴族の一、西家(さいけ)が後ろ盾となっている職人達の講(こう)であった。
123 【🔎】講(こう)
123 山内の地を四分する四家四領
- 東領(とうりょう)東家(とうけ):楽人の東
- 南領(なんりょう)南家(なんけ):商人の南
- 西領(さいりょう)西家(さいけ):職人の西
- 北領(ほくりょう)北家(ほっけ):武人の北
123 夫が死んで半年のも経たぬうちに、屋敷も財産も取り上げられ、生活の目処がたたくなった下人も、環のもとから去った。
123 環の身内たち
- 母親はすでに亡くなった
- 生前から関係が良いとは言い難い夫の生家は、自分たちまで西本家に睨まれてはかなわぬと、いたるところに穴の開いたあばらやを1つ寄越したのを最後に、一切の縁を切られた。
124 環は婚姻を結んでたった3年で寡婦となった
- 夫は高官ではなかったので、朝廷から贈られた見舞金は雀の涙
- 春を迎えたのは暦の上だけで、まだ冬
- 息子は遊びたい盛りで聞き分けがない
- 人の姿がとれるようになっていくらもしない娘は、夜泣きがひどい
124 【🔎】寡婦(かふ)
125 「お困りのようですね」と声をかけた綺羅綺羅しい装いの若い男
- 麗しい顔かたちだが、睫毛がやたらと長く、眉がはっきりとした八の字を描いているのが妙に情けない印象
- ひょうろりとした体躯にまとうのは、今まで見たことのないような深い赤の袍(ほう)
- 赤い袍(ほう)の染料の見事さ一つにしても、貴人であるのに疑いようがなかった
- 西家(さいけ)の顕彦(あきひこ)
- 亡くなった夫・健文(たけふみ)とは、少しだけ仲良くしていた。(美人の妻がいると、自慢されていた)
- 四大貴族の次期当主
- 私のところにくるかとさそわれるが、最愛の奥方を含め18人の妻たち全員に許しを得ないことには、19人目の側室にはにはなれない、と言われる。
129 西領の西本家本邸・『紅葉の御殿(おとど)』
- 敷地内においては比較的小さな御殿
- こちらの邸宅は、あまりに多い側室達のためわざわざ造られたもの
- ここで認められなければ、主殿には行けない
129 当主夫妻が住んでいる主殿
- たくさんの楓の木の植わった庭を越えた、はるか向こう側
- もうすぐ宗家の若宮への登殿(とうでん)を控えた一の姫、絶世美姫と名高い真赭(ますお)の薄(すすき)姫も、主殿に住んでいる。
130 足音も荒く、今退出したばかりの正室の部屋から、出て来た気の強そうな女
- 小柄で、ちょっと鼻に丸みがあって愛嬌のある顔立ち
- 見事な紅梅の襲(かさね)
- 少し幼く見えるが、年は20前後(環と同じくらい)
- 楓と彼女が歓談しているところへ、環が挨拶にいった(相手の立場がわからない環)
- 17番目の側室・つぐみの君