本の紹介
ストーリー紹介
御用人❝本採用❞の良彦今回は九州へ!?晴れて御用人の❝代理❞から❝本採用❞となった良彦。しかし待遇は今までとまったく同じらしく・・・。そんな良彦に、今回も神様から容赦のない御用が降りかかる。有名すぎる日本の英雄、それに七福神の一柱まで。しかも九州へ行けって交通費も出ないのに!?おまけにあの超現実主義神職に神様が恋わずらいってどういうこと!?もはやただの食いしん坊になりつつある狐神・黄金とともに奔走する、大人気シリーズ第5弾!
*memo*
語り部
「慎みて怠ること莫れ」これは古語拾遺の中で東へと旅立つ倭建命に叔母である倭姫命が、草薙剣とともに授けた言葉である。
秋の彼岸を過ぎて
一柱
萩原 良彦
- 主人公
- 25歳フリーター
- 御用代理になって1年、やっと正式な御用人に任命される
黄金
- 方位の吉兆を司る、狐の姿をした方位神
- 良彦のお目付け役
- 人間の食べ物に興味がある
吉田 穂香
- 大主神社の宮司の娘
- 現役高校生
- 神や精霊、霊魂などを視る「天眼」の持ち主
京都も盆地特有の蒸し暑さがあるのだが、海が近いここは、さらに湿度が増しているよな気がする。
- 京都盆地
- 海が近いここは、更に湿度が増しているような・・・とはどこの空港の出口でバスの時刻表を睨んでいるのか?→鹿児島だった
・・・お前の行動など、大神はすべてお見通しなのだぞ」
- 大神とは、ここでは天照大御神のこと
今日 午前10時前
件の神が鎮座するという社までの道のりを確認した。
- 件の神 今回の御用神はどの神様か?
昨日 正午
- 良彦夏休み中
穂香からのメール内容
- 母方の叔母の家へ泊りに行っている
- 毎年恒例の予定
- 宮司の父だけを残し母子で出かける
宣之言書(のりとのごとのしょ)
邇邇芸命。その名前は確か、天孫と呼ばれるあの神ではなかったか。
今日 午前中
「鹿児島・・・?」
母親に連れられ、宮崎にある叔母宅を訪ねるのは、・・・
昔は日向国(ひゅうがのくに) と呼ばれた宮崎は、伊邪那岐神や神武天皇の話をはじめとする日本神話の宝庫である。
特に叔母の家のある西都市は、・・・
史跡に沿って「記紀の道」と名付けられた場所がある。
- 「記紀の道」
そういって、天孫・邇邇芸命の妻である木花之佐久夜毘売は、・・・
- 木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)
邇邇芸命は、国民の総氏神として伊勢に祀られている天照大御神の孫である。
- 伊勢に祀られているとは伊勢神宮のこと
古事記にでてきた彼の話もはあくしている
大国主神が天照大御神の遣いに国を譲り渡した後、満を持して葦原中国(人の世)を治めるために、大勢の共を連れて天降った神こそ邇邇芸命だ。
奇抜な猩猩緋(しょうじょうひ)の単を纏い、
- 猩猩緋とは色名のこと
・・・邇邇芸命と大国主神っていえば、日本神話におけるロクデナシ男神のツートップ・・・
- 多分、主に女性関係のことをいっているのではないかと思われる
・・・この神様のせいで天皇の寿命が決まったんだろう?しかもその理由がロクデナシのロクデナシたる由縁だし」
- 天皇の寿命が決まった理由とその他のロクデナシな理由とは↓
大山積神(おおやまつみのかみ)と面識のある黄金が、若干呆れながら口にした。須佐之男命に怯えていた大国主神といい、神様は舅との折り合いが悪いというのは定番なのだろうか。
- 大山積神
- 大山積神を祀る神社 大山祇神社
- 須佐之男命は、葦原色許男神(あしはらしこ)後の大国主命が好きになった須世理比売(すせりひめ)のパパで結婚を許すまでにいくつかの試練を与えたりしたので、大国主神と舅のおりあいが悪いといっているのだろう
なぜ現代にDNA鑑定があるのか・・・
- DNA鑑定 親子鑑定のこと
・・・今なんて富士の山に行ってしまって、めったにこっちに帰ってこない
「これは、昔私の共が彫ってくれた神面だ。・・・
ほう、南九州には仮面信仰があると聞くが、よもやそれが起源か?
・・・作者であるイシコリドメノミコトの力が削がれてきたことが原因だ。
今日の午後
別に高天原から・・・
木花之佐久夜毘女が富士山に映ったのは、垂仁天皇の頃・・・
今朝木花之佐久夜毘女と出会ったという小川に向かうと・・・
- この小川は、あいそめの川と思われる
- ニニギとサクヤの出逢いの場所
「都萬(つま)の社か」
「泣沢女神(なきさわめのかみ)以外の神様に・・・
高千穂の峰に行こうと・・・
- 高千穂は日本神話でニニギが天孫降臨の地だとされている
それとも火遠理(ほおり)の社を訪ねようか
・・・古事記に目を通しているが・・・
五伴緒(いつもものお)の一柱だっていうことは・・・
- 五伴緒とはニニギの降臨にしたがった五神のこと
- 天児屋命(あまのこやねのみこと)・太玉命(ふとだまのみこと)・天鈿女命(あまのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・玉祖命(たまのおやのみこと)。
作鏡蓮(かがみつくり)の祖(むらじ)・・・。つまり鏡作りを業にしていた神様か・・・。
- 作鏡蓮(かがみつくり)の祖(むらじ)
・・・石凝姥命(いしこりどめのみこと)を主祭神とする社は、岡山や関西に多いのだ。中でも今は、奈良の一社を拠点にしておると聞く」
- 奈良の一社とは、鏡作坐天照御魂神社のことかな
マスコミではとりあげられないが、神社派閥が気になる
一言主にメールして・・・
- 一言主は奈良県御所市の「葛城一言主神社」が全国の一言主神社の総本山となっているて、以前登場した時その場所に一言主が住んでいる設定だったので、奈良に連絡するには便利だと閃いたと思われる。
- この本では、以前のシリーズで登場した神様キャラクターで携帯やPC、ゲームにも明るい設定だったはず
2日目 午前10時過ぎ
先月御用を聞いた天道根命(あめのみちねのみこと)も服装にはこだわりを持っていたが・・・
2日目 夕刻
二柱が暮らしたという八尋殿(やひろどの)跡も、木花乃佐久夜毘女が出産したという無戸室(うつむろ)も。
・・・父である大山積神は、木花之佐久夜毘女の姉、石長比売も一緒に邇邇芸命のもとへ・・・
- 現在、姉妹は全国の浅間神社で共に祀られています
- 石長比売のみを祀る神社としては、烏帽子山の雲見浅間神社や大室山の大室山浅間神社などがある。どちらの山にも、「山で富士山(木花之佐久夜毘女)を褒めると罰が当たる」という言い伝えがある
二柱
8月下旬
遠藤 獅兜(れおと)
- 清掃の新入りアルバイト
- 20歳
9月目前
瀬田の唐橋を渡り
大神霊龍王(おおみたまりゅうおう)
- 大御霊龍王
- 本書では、瑠璃色の蛇の姿や女神の姿に顕現すしお華という名前がある
高霞神(たかおかみのかみ)
- 高霞神
須勢理毘女や木花之佐久夜毘女に比べると・・・
・・・倭建命とある。
「モフナビに聞いたら・・・
- モフナビとは、黄金のこと
・・・とうとう大神もうがいたか」
- 大神とは天照大神のこと
邇邇芸命の降臨と・・・
・・・神武東証を経た、・・・
- 神武東征(じんむとうせい)
天道根命(あめのみちねのみこと)と同じように
- 第12代景行天皇
- 次男説について・・・「日本書紀」「先代旧事本紀」では第二皇子とし、同母兄は大碓皇子のみで双子の兄とする。「古事記」では第三皇子とし、同母兄を櫛角別王・大碓命(双子の記載はない)、同母弟を倭根子命・神櫛王とする。
九州南部で女の姿を装って熊曾健(くまそたける)の兄弟を討ち、
大和へ戻る前に、出雲で出雲健と仲を深め、・・・
父は更なる東の平定を命じる
相模(さがみ)国(神奈川)では国造の裏切りに遭い(駿河という説もあり)、
荒ぶる海を鎮めるために、愛する妃が生贄となった。
その後私は、大和へと戻る途中、伊吹山での慢心が原因で深い傷を・・・
・・・大和には帰れぬまま伊勢国で息を引き取りました
- 白鳥伝説
大阪の白鳥陵(しらとりのみさき)を訪れた
虐待やネグレクトの文字が・・・
倭建命は東へと向かう途中、立ち寄った伊勢で、大御神宮(おおみかみのみや)に斎王(さいおう)として仕える倭比売命(やまとみめのみこと)を訪ねた
- 日本書紀の一節では天叢雲剣とも呼ばれる
- 須佐之男命が八岐大蛇を退治した際に、その尾っぽから取り出された剣
- 須佐之男命は姉の天照大御神へと献上する
- その後天孫降臨の際、邇邇芸命へ手渡され、豊鍬入姫命と倭比売命の二人の皇女に引き継がれる
- その後東征に赴く倭建命にもたらせる
- 倭建命が命を落とした時、剣は尾張国で結婚した美夜受比売(みやずひめ)のもとに預けられていた。
- 後年、美夜受比売は奉斎鎮守するために社を造ります。愛知県の熱田神宮で祀られています
- 草薙剣は、八咫鏡、八尺瓊勾玉と合わせて三種の神器
三柱
9月上旬
「正式な名称は大地主神(おおとこぬしがみ)・・・
・・・大地主神は古事記にも日本書紀にも登場せぬ。「古語拾遺」に少し記載があったかと・・・
- 「古語拾遺」
・・・わしが四石社(よついしのやしろ)を塒にした頃よりずっと以前から、ここは彼女の縄張りだ
- 四石社
藤波孝太郎
- 良彦の幼なじみ
- 大地主の権禰宜
- 容姿端麗で超現実主義者
・・・地鎮祭は、
神職でもない一介の高校生である遥斗が知っていた・・・
- 遥斗
「元々神々の用向きを尋ねる人の子のことは、「スメムツモノ」や「トハシタマウモノ」などと呼ばれていたのだ
- 「スメムツモノ」
- 「トハシタマウモノ」
四柱
エビス様
キスケ
津門(つと)
9月も半ばを過ぎ
ポニーほどの大きさの小さな白馬・・・
- 蛭児大神の眷属である「松葉」
エビス神
- 蛭児大神(ひるこのおおかみ)
- 事代主神(ことしろぬしのかみ)
- どちらも海を渡って来た神で、えびす信仰として広まる
- どちらも「えべっさん」と呼ばれる
- 通天閣近くの今宮戎神社に祀られているのは、事代主神
- 「エビス」という神の名は、平安時代末期に書かれた「伊呂波字類抄」に廣田神社の摂社として初出するが、どんな神様かは謎。
- 現在エビス神について文献はほとんどが、七福神信仰が民間に広がりはじめた室町時代以降のもの
- 七福神のなかの一神、もしくは当時流行した福神の立場として述べたもの
- また、平安時代末期頃から盛んになった本地垂迹(ほんじすいじゃく)思想、(仏こそが神の実の姿「本地」であり、神は仏が民衆を救済するために姿を変えた仮の姿「垂迹」であるという考え)では、エビス神は毘沙門天であり(あるいは不動明王)。
予兆
八拳鬚(やつかひげ)
読みたくなった本